飼育方法


(2700×900×900)










 上のでっかいのが、ともしは園のメインゲージで横2m70cm、縦90cm、高さ90cmあります。室内に置ける大きさとしてはかなり大きい物だと思いますが、これくらいあれば複数のオカメを入れてもそこそこ運動できます。レンガの上にケージを載せただけの簡単構造なので、糞受けはダンボールに新聞紙を敷いただけです。前面には3ヶ所、45cm四方の上下スライド式の窓があります。総制作費は23000円ぐらい。結構安いでしょ?
 基本的に、十分飛べる子は生後40日ぐらいからこのメインケージに移します



 上のケージは繁殖用もしくはメインケージに収容できない子を一時的に収容するために使います。
 犬などの移動用のケージです。大きい方が75cm×55cm×46cm、小さい方が62cm×51cm×42cmで、巣箱はいずれも外掛けで使用します。繁殖期にはこのケージを3段重ねで並べていきます。
 
 この外にも、HOEIなどの普通の鳥かごもいくつかありますが、まあ、ケージやカゴは意外と数が必要になります。
 

 ちなみに、画面の右に少し見えているのはマイクスタンドで、放鳥時の止まり木になります。マイクスタンドだけに、高さや方向など自由自在に調節できる上に、丈夫です。しかもたったの1000円!安過ぎる〜。


餌

 餌は、鳥の体を作る資本である訳で、極めて重要なファクターであり、これを軽視すると健康な鳥を飼育することは困難であるといわざるを得ない。とは言うものの、完璧な食事を与えることは非常に難しく、ある程度の妥協は必要と考えています。
 理想的な食事がどのようなものかというのは、いろんな考え方があるとは思いますが、基本的には私達人間の食事と同じ考え方でいいのだと思います。つまり、加工食品を排除し、100%自然素材で構成されていることが理想です。

 うちで使っている餌は、種子類、穀物、ビタミン剤、ペレット、塩土、ボレー粉、野菜等ですが、この中のビタミン剤、ペレット、塩土、ボレー粉については、出来れば与えない方がいいのだろう。ペレット等には、合成ビタミンや保存料などが使われているものが多いと思われるが、保存料などはあくまで品質を保持するために加えられているもので、大抵は毒性も強いのではないだろうか?栄養分として添加されている成分についても、必要以上に摂取するとうまく体外に排出されず内臓などに負担がかかる。野菜などに含まれる天然の栄養分は、余分なものは体外に排出されるので問題は無いのだが、合成ビタミンなどではそれがうまく出来ないようである。人間の場合でも、過剰に栄養分を摂取するとイライラしたり、感情的になったりすることがありますが、オカメもペレットのみで飼育されていたりすると性格的に問題のある子に育つことがあるそうです。
 
 自然の食べ物だけで間に合えば理想ではありますが、実際は農薬の問題もあるし、必要な栄養分をすべて補うことはかなり困難なので、ペレットやビタミン剤を使うことを私は否定しません。実際使ってるし・・・・。ただ、あくまでも補助的に使うに留めておいた方がいいようである。鳥にも人にも言えることですが、みんなもっと野菜を食べよう!


@基本配合飼料

Aグリーンフード

Bえん麦

Cボレー粉

Dネクトン

Eペレット

F差し餌

G粟穂

@基本配合飼料・・・・・稗、粟、麻の実、サフラワー、そば、ひまわりなど、適当に
              色々混ざっています。量より種類を増やすのは食事の基本
              ですね。季節によって分量は変えた方がいいらしい。高栄
              養なものが多いとおデブさんになってしまいますからね。

Aグリーンフード・・・・・キクスイさんとこの物ですが、市販されているものでは最も
              野菜に近いというその自信と、以外とオカメに好評なので
              補助的に与えています。まあ、本来は本物の野菜をあた
              えた方がいいのですが。

Bえん麦・・・・・・・・・・・どっかで副食には良い。と聞いたことがあるのと、結構美味
              しいらしく、みんな良く食べるので上げています。たまに、水
              に漬けて発芽しかかったものを与えます。こうすることによ
              って栄養価がグンッと上がるそうです。

Cボレー粉・・・・・・・・・昔から良く使われているものですが、かき殻を砕いたもので
              す。ただ、結構不純物が多いらしく、水でしっかり洗った後、
              フライパンで炒ってから保存しています。青に着色されたも
              のも売られていますが、あれは論外だそうです。

Dネクトン・・・・・・・・・・各種のビタミン、ミネラルの補給源として使っていますが、量
              の調節がなかなか難しいです。説明書には餌に混ぜて与え
              ると書いてありますが、単に餌にふり掛けるだけでは上手く
              摂取できません。野菜や果物に混入させる方法もあります
              が、水に溶かすのが簡単なのでそうしています。ただ、腐食
              が早いようなので5,6時間したら取り替えます。与えすぎは
              良くないと思うので、1日に1回だけです。

Eペレット・・・・・・・・・・私はペレットはほとんど使わないので、おやつ程度に考えて
              います。写真のものはどこかでオマケでいただいたもので
              す。


F差し餌・・・・・・・・・・・ケイティー社のパウダーフードとキクスイさんの手乗り専用
              飼料というもの。キクスイさんのは、粟玉が中心だと思いま
              すが、色々入っているみたいでとても良いにおいがします。
              おいしそうです。

G粟穂・・・・・・・・・・・・ほとんどの鳥が好んで食べます。一人餌の訓練には欠かせ
             ないアイテムですが、遊ぶ効果もあるので時々与えていま
             す。多分高カロリーなので与えすぎには注意。

H野菜・・・・・・・・・・・・生物の健康を支える上では、非常に重要なアイテムです。
             出来る限り与えるようにしましょう。野菜には、いろんな栄
             養素が自然な形で含まれており、無理なく体に吸収される
             ので、栄養補給方法としては理想的といえるでしょう。野
             菜の中で一番いいと言われるのは小松菜ですが、単品で
             は栄養が偏るのでいろいろ与えた方がいいようです。ほう
             れん草などのシュウ酸の多い野菜は多量に摂取すると害
             があるそうなので、ごく少量にしておいた方が良いようです。

I豆・・・・・・・・・・・・・・野菜だけだと、たんぱく質やビタミンB類が不足するらしい
             ので、豆類でそれを補給します。ただし、生の豆は害があ
             るらしく、調理されたものや、発芽したものが良いそうです。
             豆に限らず、発芽したものは栄養価が上がるので良いと
             思います。私はえん麦やひまわり等をたまに発芽させてい
             ます。発芽して、あまり長くなると苦くなるようなので少
             し芽が出たら与えます。注意点としては水に浸けておくの
             で、水が腐らないように管理しなければなりません。



日光浴

 ほとんどの動物は太陽の光を浴びることが必要であると言われるように、オカメにも日光浴が必要です。正確には、必要なのは紫外線であり、ビタミンD3を体内で生成するのに使われます。このビタミンは、食べ物から摂取することが困難であるために体内生産に大きく依存をしているので、動物にとって日光は重要なものと言えます。

 ところで、実際にオカメにはどの程度の紫外線が必要なのか?というのはあまり知られていないと思います。正直、私も知らない。ご存知の方がいらっしゃいましたら是非教えていただきたい。
 ご存知のように、紫外線は浴びすぎると有害です。シミの原因としてはもちろんですが、皮膚癌などの深刻な病気の原因としても懸念される傾向にあります。近年は、オソン層の減少に伴い地表に降り注がれる紫外線が増加しています。そのため、国を挙げて紫外線対策を進めている国もあります。(日本人の認識は美肌対策程度でしょうか?この手の問題に関しては、日本人はほんとに鈍いですよね・・・。)
 人間に必要な紫外線は、夏の晴れた日なら、手の甲に直射日光を5〜10分程度、木陰でも30分ぐらいで1日に必要な量はクリアできるようです。曇りの日でも紫外線は存在しているし、直射日光でなくても紫外線は反射して屋内にも入り込んできます。そう考えると、紫外線が足らないという状況にはなりにくいと言えます。ゆえに、世論の動向は「紫外線を浴びよう!」ではなくて、「紫外線から身をまもろう!」となっているのだと思います。

 うちの鳥部屋は南側に大きな窓が2つあり、ここが太陽光線の入る場所です。西側にも窓がありますが、ここはブラインドを下ろしてあります。注意点としては、窓ガラスやレースのカーテンなどは紫外線を遮断してしまうので、窓は全開にしておく必要があります。1日の日光取り入れ時間は2,3時間程度ですが、屋外に比べれば室内は反射も多いので、これで十分だと考えています。逆に、常に屋外にある場合や直射日光の多い環境では、何らかの紫外線対策をした方がいいのかもしれません。よくはわからないんですけどね・・・。



 うちは、室内飼育なのである程度空調を考慮しなくてはならないのですが、私が空調で最も気にしているのは湿度です。オカメ自体は乾燥地帯に住む鳥なので、日本の気候を考えれば湿度を抑える方向で空調を調整します。湿度が高いと匂いもきつくなるし、虫や雑菌も繁殖し易くなります。梅雨の季節には、エアコンでのドライ運転と空気清浄機がどうしても必要になります。
 夏場の暑さ対策にもやはりエアコンを使います。32℃ぐらいまでは我慢してもらいますが、34℃ぐらいになるとさすがに暑そうなのでエアコン始動です。この間は湿度も抑えられますしね。

これに対して冬場の対策は、ほとんどありません。高知県という土地がらもあり、真冬でも鳥部屋の温度は、日中は20℃を切ることはありませんし、朝方でも10〜15℃はあります。体力のある成鳥ならばもっと低くても大丈夫ですし、羽が生え揃っていれば幼鳥でもヒーターを入れるような保温はしません。
 うちには、犬、猫、フェレットがいますが、みんな寒さにはあまり動じませんね。寒いのは人間だけみたいです。





 正直、私は掃除が苦手である。というか嫌いだ。なので、この項目はあまり触れたくないのですが、やらない訳にはいかないんですよね、これが。
 毎日やらなければならないのは、掃除機掛けである。抜け毛や脂粉は大量にでるのでこれは必ずやってます。あと、当然糞の処理ですが、ゲージの清掃はおおむね週一です。元々、鳥の糞は餌が種子類が多い為か、ほかの動物に比べると匂いも少ないし、水分も少なく、湿気がなければ直ぐに固まります。いわゆる虫の発生などは、地面からくることが多いので、2階の屋内という環境では、換気と湿気に気を付けていれば虫の発生はまずない。
 ゲージの底には新聞紙が敷いてあるので、これを全部取り除き、その後を掃除機で一網打尽に吸い取り、新しい新聞紙を敷く。新聞紙は汚れをかなり吸着するようで、汚れはほとんど取れます。
 大掃除をする時を除けば、普段はこんなもんです。(^^;








   うちで使っているのは、100%手作りの横型の物で、外掛けです。
   縦210mm×横370mm×奥行き390mm
 
   ただし、寸法はかなり適当で隙間だらけで、一部斜めになったりもしています。
  機能を果たせれば見た目はどうでもいいですから・・・。大工になるつもりもないし・・・。
  どうして針金で巻いているかと言うと、安物の杉なので、乾燥すると変形して分解してし
  まうので、矯正しているためです。見た目はポンコツですが、立派に働きます。









  天井の蓋を開けると、中が覗けるようになっています。















   この留め金でゲージに外から引っ掛けます。正面に3つ付いています。









   天井はスライドさせると完全に外せます。正面には空気穴が空けてあります。












   中に仕切り板が1枚あります。












  やしの実マットを敷いて使います。材料費は全部で1000円ぐらいですが、手間暇を
  考えると買った方が割安かな・・・。











繁殖

繁殖の方法やタイミングは環境によって変わってくるので、あくまでもうちでのやり方を説明します。

@繁殖に適した個体
  まず、健康であることは当然のことですが、「荒」がいいのか「手乗り」がいいのかということがあるのですが、うちでは断然手乗りの方がやり易いし、結果も良いです。手乗りの利点は、あまり気を使わなくてもいいことで、当然オカメの精神的ストレスも少なく、全てにおいて扱い易いということがあります。荒の場合は、ゲージの設置場所など、オカメが落ち着くことができないと結果がでません。移動をする時も網を使って捕まえないといけないので、怪我をする確立も高いし、精神的ダメージを与える機会が増えます。うちの場合は、絶対手乗りがオススメです。
 手乗りで気を付けることは、「鳥よりも人間が好き」という状態にしないこと。なるべく単独飼育を避けて、鳥に馴れさせておけば問題はありません。一旦ペアになってしまえば、放鳥をしてもずっと行動を共にするようになります。こうなれば繁殖は容易です。できれば自家繁殖をしたものなどは、心身共に良好の状態を作り易くて良いです。
 荒の場合は、とにかく落ち着いて繁殖ができる環境を提供すること。オカメの場合、飼育期間が長ければ荒でも人をあまり怖がりませんが、ゲージをなるべく高い位置におくなどの工夫は必要です。生後8ヶ月ぐらいから繁殖可能だと思いますが、うちでは♀は生後1年、♂は1〜2年を過ぎるくらいからを基本にしています。
 痩せ過ぎや太りすぎにも気をつけます。日ごろから十分に運動させておくことも大事です。手乗りの場合、いつでも放鳥できるという利点があるので、まめに放鳥させてればいいのですが、荒の場合は、出来るだけ大きなゲージで飼育する必要があります。
 ペアリングに関しては、♂が良いと比較的良い結果がでやすいように思いますが、仲の良いペアであるに越したことはありません。小さい頃から一緒に育ったペアなどは、とてもやり易いです。出来れば♂の方が年上の方がいいのでしょう。

A繁殖の手順
 普段は大ゲージにいますので、繁殖する2〜3週前から繁殖ゲージに移し、様子をみながら巣箱を投入するタイミングをはかります。巣箱を入れると早いペアは1週間ぐらいで産卵を始めます。産卵が近くなると、♀の糞が大きな塊になっていき、産卵をすると、♀が夜間に巣箱に入るようになるので、直ぐにわかります。日中は基本的に♂が抱卵します。1〜2日おきに4〜6個ぐらい産卵するのが普通みたいで、抱卵期間はおおむね18日前後ですが、うちでは18日ぐらいで孵化することが多いです。
 産卵前や後で餌の内容を変えることが多いようですが、うちの場合は特に変えません。健康な個体で、普段の餌の内容が安定していれば普通に繁殖できると思います。ただ、餌の量は多くなりますし、雛が孵ればひまわりなどを大量に消費するよになります。雛の数が増えるに従って、ものすごい量を消費するようになるので、餌の量には常に注意しておく必要があります。
 基本的に繁殖自体は親鳥が勝手にやってしまいますので、人間は見守るだけです。ただ雛の数が多い場合は、後で生まれた子は育ちにくく個体差も出来てしまうので、うちでは4〜5羽目以降は人口飼育にします。
 



 育雛の方法は、人によってかなり違いがあるので、その人のライフスタイルに合わせて無理のないようにするのが重要であることを先ず認識しておかなければなりませんが、以下、うちの場合です。

@卵から人工孵化で育てる
  
 通常は、抱卵は親鳥に任せるのが一番手間いらずなのですが、事情があって親鳥が抱卵出来ない(抱卵しない)場 合は、人口孵化を行わなければなりません。そのためには孵卵器が必要になります。市販のものがあればいいのですが、無い場合は自作することもできます。孵化に必要なのは、概ね温度が37.8℃、湿度40〜60%の環境です。うちで使っている「孵しまっせ1号」君は、60cm標準水槽がベースです。これに、100Wペットヒーター、熱帯魚用サーモスタット、熱帯魚用エアポンプを組み合わせて使います。湿度は、濡れたタオルを入れて調整しますので、必ず湿度計が必要です。
 孵化に最適な37.8℃でなるべく安定させますが、±1℃ぐらいの多少の温度差は問題無いようです。「孵しまっせ1号」のサーモは35℃までしか調節できないのですが、サーモのセンサーとヒーターの距離を調節して、卵付近の温度を適温にキープします。湿度は、外湿度に大きく左右されますので、湿度計を見て40〜60%で調整します。湿度によって温度変化も影響を受けます。
 
 卵の置く場所は、卵全体に均一に熱風があたらないように、卵の上部は37.8℃になるようにし、下部は熱がこもらないようにして、卵の上部と下部で温度差が出来るように置きます。温度差を付けないと、血管の発達などに支障がでるようです。
 初めの頃の卵は、胚が卵の上部に浮いているような形になっているので、卵がどの向きになっても胚が上になります。そのため、そのまま放置しておくと胚が卵の内側にくっついてしまうので、転卵をして胚を移動させます。うちでは、入卵から15日目までは、3時間おきに転卵し、夜寝る時だけ6時間後に転卵します。16日目ぐらいになると、卵の中はほとんど雛の形になっているので転卵はしません。この時期になると中から雛の声が聞こえるようになり、2,3日中にいよいよ孵化が始まります。


A生後0日からの人口飼育
 
 生まれたばかりの雛の体重は3〜5gくらいで、僅かに産毛が生えている程度です。そのため、しっかりとした保温が必要になります。複数であれば30℃ぐらいでも大丈夫だと思いますが、単独であれば34℃くらいは必要かもしれません。産毛が少ない場合は、孵化時に近い温度が必要になります。
 差し餌で最も注意すべき点は、無理に押し込まないこと。この時期は、餌が溢れて気管に入ったりすると、吐き出すことが出来ずそのまま窒息死したりすることがあるので、差し餌は量を少なく、回数を多くが基本です。最初のうちは概ね2時間おきぐらいです。その後は、成長に合わせて量や回数を調節します。この時期の餌は、粟玉などは無理なので、パウダーフードを少し柔らかめにして与えます。餌の硬さに関しては、親鳥が与える餌は結構固めなので、硬すぎて食滞を起こすことはあまりないように思います。うちでは、差し餌をする時は必ず手に乗せて行います。必ず手乗りになります。


B生後1週目〜2週目

 そろそろ目が開く頃です。産毛から徐々に筆毛に変わってきます。この時期は、差し餌を嫌がるようなこともまずありません。概ね3〜4時間おき、1日に5〜7回ぐらい差し餌をします。筆毛が開くまでは、目視でそ嚢の状態が確認できますので、どのくらい食べたか、前の餌はちゃんと消化しているか確認します。体重測定もまめに行います。


C生後2週目〜3週目
 
 通常、手乗り雛として流通するのはこの時期が多く、体重も100g前後ぐらいになり、筆毛も開き、見た目にもオカメっぽくなってきます。差し餌は概ね1日3〜4回ですが、筆毛が開いてくると、目視ではそ嚢のチェックが出来なくなってくるので、差し餌の前と後で必ず体重を計って食べる量を把握しなくてはなりません。
 この時期の雛を手乗りとして迎えた場合、環境の変化などで差し餌をなかなか食べてくれないことがあります。状態の良い雛は、1日ぐらい餌を食べなくても大丈夫ですが、出来るだけ早く食べさせなければなりません。雛の警戒心を解くにはスキンシップが効果的で、手の中に入れてみたり、頭や背中を掻いてあげたりして警戒心を解きます。また、くちばしを両側から刺激すると口を開くことが多いので、その時にすかさず餌を与えます。


D生後3週目〜4週目
 
 もう見た目には、親鳥とさほど変わらないぐらいになります。体重は大きい子だと、差し餌前で100g、差し餌後で110〜120gぐらい、小さい子でも90g〜100gぐらいになります。この時期になると、早熟の子は自我も出てきて、手乗りにするにはやや難しくなってくる子もいます。差し餌は、1日に3回ぐらいですが、粟穂など入れておくと少しずつ自分で食べるようになります。


E生後1ヶ月〜2ヶ月

 生後30日前後になると、いよいよ初飛行を迎えるようになります。この時期には飛行に備えて差し餌を嫌がったりして、体重が著しく減ることがあります。減り方はかなり個体差があって、ほとんど減らない子もいますが、10g〜20gくらい減るのが普通だと思います。もちろんそれまでどのくらいの体重だったかによって違ってきますが、80g〜100gくらいが目安になると思います。
 この頃から積極的に一人餌の訓練をします。1日2〜3回の差し餌を基準にして、朝や昼の差し餌を止めて体重の減り方をチェックします。差し餌を抜いて、体重が大きく減るようならまた差し餌を再開し、減らなければ徐々に差し餌を抜く回数を増やしていきます。中には、ある日突然差し餌を全く受け付けなくなり、一人餌になる子もいますが、基本的にオカメは一人餌になるのに時間がかかります。早い子で生後40〜50日ぐらい、遅いと2,3ヶ月かかることもあります。


☆差し餌の種類と与え方

 うちでは生後18日ぐらいまでは、パウダーフードのみを与えています。その後、雛がかなり積極的に餌を食べるようになってくると、自主的に餌を食べさせるために、キクスイさんの手乗り専用飼料にパウダーフードを混ぜて与えています。
 最初から粟玉などを中心に与える場合は、不足するビタミン、ミネラルを補給できる食材を混ぜる必要があります。一般的には卵黄や小松菜などを混ぜて与えます。パウダーフードにこれらを混ぜて与える方もいますが、バランスの良いパウダーフードの場合、一応必要な栄養素は揃っているので、これにさらに栄養を加えると内臓に負担がかかる恐れもあります。
 一人餌移行時には、常に粟穂を入れておきます。粟穂は非常に嗜好性が高いので一番重宝すると思います。底に転がすよりは、上から吊るすようにした方がより食いつきが良いようです。


☆飛ぶ練習

 鳥にとって「飛ぶ」ということは、非常に大きな意味があります。飛べない頃の雛は、直ぐに何かに隠れようとしますが、飛べるようになると行動も活発になり、行動範囲も大きくなると同時に精神的な成長が見られます。心身の正常な発達には雛の頃から積極的に飛ばしてあげることが必要です。
 小さい頃にあまり飛べなくしてしまうと、内向的になったり、発育が遅れたりします。ただ、最初のうちは下手くそですから、注意して見守ってあげます。特に、体重が減っていない子は着地が危険なので十分な注意が必要です。上手な子は3日もすればかなり飛べるようになります。