ブルーグラスの繁殖では、ブルーグラス同士で交配してもブルーグラスの子は50%しか採れないというのが定説であります。ただし、レッドグラスとブルーグラス同士の交配から出てくるブラゥ個体を交配すると、理論的には100%ブルーグラスが採れます。けれども、レッドグラスとブラゥの交配から出てくる個体は、グラス模様が綺麗にならずとてもブルーグラスとは言えない個体にしかならないため、この交配はタブーであるというのが一般的のようです。
 それならば、ということで実際にこの交配を試した結果がこの2枚の写真です。この2匹はいずれも、レッドグラス♂×ブラゥ♀から採れたものです。結果から言うと、問題が無いこともないですが、ちゃんとブルーグラスになりました。ということで、レッドグラス×ブラゥ=ダメというのは、嘘です。
 そもそも、ブルーグラス同士で交配しても良くない結果になるのはよくあることで、原因は選別ミスと育成がヘタなことが挙げられますが、ほとんどの場合は後者の育成がヘタであることに尽きると思います。ブラゥは小さいので、交配には使えないとよく言われます。確かに大きくは成りにくいですが、ちゃんと飼育管理すればそれなりに大きくなるし、交配にも使えます。これは、RRE.A系にも言えることですね。
 こういうことを棚に上げて、系統が悪いとか、血が濃いとか意味不明なことを言っている人達はちょっと滑稽な気がします。
 ただ、ブラゥは柄が見えないので親魚の選別が難しいのは事実です。なるべく安定している系統を使った方が無難です。ブラゥを使うとやや色が暗くなる(青が濃い)ようなので、RRE.Aブルーグラスなどは良い結果が出易いのではないでしょうか。